Omizu

パリ 05:59のOmizuのレビュー・感想・評価

パリ 05:59(2016年製作の映画)
4.5
【第66回ベルリン映画祭 パノラマ部門テディ観客賞】
ベルリン映画祭でプレミアされ、テディ観客賞を受賞した作品。日本でもレインボーリールにて上映された。

冒頭18分間に及ぶ衝撃的な男性同士のセックスシーンで幕を開け、テオとヒューゴの午前4時27分から5時59分までがリアルタイムで描かれる。

素晴らしい。こんなに画面の前を離れたくない!と思ったのは久しぶり。

ほぼ二人しか登場しないが、台詞回しや社会性を持った展開など全てにおいて圧倒的センスを感じる。

ゲイゆえの差別、移民問題、人々の孤独といった社会性を含めつつ、最終的には愛の物語になる構成が実に上手い。

こんな出会い、あったらいいな。クラブで気も性も合う人がみつかって、問題を抱えて時には喧嘩しながら生きていく。そんな生き方がしてみたい。

今後どうなるか分からない、大きな病気がある、それでも君と一緒にいたい。色んな問題に隠された純愛の様子が丁寧に描き込まれており相当な腕を感じた。傑作。
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