ShinMakita

オフサイド7のShinMakitaのレビュー・感想・評価

オフサイド7(1979年製作の映画)
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☆俺基準スコア:1.9
☆Filmarks基準スコア:3.0



1944年、ギリシャ・ロドス島。ここを占領するナチス・ドイツ軍は、島とエーゲ海に眠る古美術の発掘を目的とした捕虜収容所を設置していた。所長のオットー・ヘクト少佐は紳士的かつ穏やかな元古物商だが、結構な俗物で女とカネに目がない男。実は掘り出したお宝をくすねては、スイスの実家に密輸しているのだった。そんな彼の前に、アメリカ人2人が移送されてきた。喋りっぱなしのコメディアン・チャーリーと、そのパートナーである踊り子ドティだ。慰問旅行中に飛行機がギリシャに落ちてしまったらしい。ドティにメロメロになってしまったオットーは、彼女に個室を与えてチャーリーを優遇することに。一方、収容所といえば脱獄だろうとワクワクするチャーリーは、捕虜リーダーのブレイク教授から「トンネルなんか無いよ」と言われ落胆。しかし驚きの作戦を聞き、無理矢理参加させられるハメになった。それは、島で活動するギリシャ人レジスタンスを所内に引き入れ、収容所を丸ごと占拠するというものだった……



「オフサイド7」


ロジャー・ムーア、デビッド・ニーブン、エリオット・グールド、テリー・サバラス共演の戦争活劇。キャスティングの豪華さに高揚するも、「脱走」とか「ナチス殲滅」とかの目標がなく、「正義のために」というモチベもないから、正直、物語としてアガる要素が全くありません。むしろ戦争喜劇と言った方が正解かも。ユーモアが多いのは「㐧17捕虜収容所」のパロディにしたいという意図でしょうね。しかし話はつまらなくても、一個一個のアクションは結構見応えがあります。逃げるフォルクマンを追うチャーリー、という場面のバイクスタントは素晴らしいし、山の修道院攻略のクライマックスで出てくる黒い「アレ」のスケール感も凄いし。

なんと言っても凄いのは、序盤で多用される空撮長回し。この時代、ドローンが無いのにドローン撮影のようなブレがなく、かつ正確な動きをするカメラに驚愕しました。「フレンジー」冒頭のテムズ川空撮も「どうやって撮ったの?」と不思議に思いますが、本作もアメージングですよ。撮影のギル・テイラーさん、偉大です。




…㐧17捕虜収容所のパロディギャグのため、わざわざ1シーンだけウィリアム・ホールデンが出てきます。グールドに「あんた、まだ居たの?」と言われる楽屋オチが笑えました。
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