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Death Note/デスノートのYSKのレビュー・感想・評価

Death Note/デスノート(2017年製作の映画)
3.7
あの「デスノート」だけども決して『デスノート』ではない『DEATHNOTE』
それなりにリスペクトというか原作を尊重しようという気持ちはあるし、基本のキくらいはおさえているものの、『デスノート』を知っている我々からしたら児戯にも等しく認めたくはありません

まずライトの知能に問題があり、学校の食堂や教室でノートについて大声で語り出すなど月のように神経質なくらいに正体を隠そうとした気持ちはありません
Lにしても登場時に雰囲気だけは醸し出していたのもつかの間、堂々とライトの前に登場し挑発はともかく、「決して銃は使わない、法の下で裁く」と言いながらライトがワタリを狙ったときには感情をむき出し銃を手に取り追いかけっこに興じます

もちろんそんな人たちですから騙したり賺したりといった知能戦など望むべくもなく、煽り煽られ暴走する非常にアメリカナイズされた罵りあいが繰り広げられます
ですが、じゃあ面白くないのかといえばそんなことはなく、むしろ「デスノート」を題材にしたスピンオフコメディとして見れば腹を抱えて笑えそうなくらい面白いです
特にライトがデスノートを手に取り、ミサミサポジションのミサにその能力を自慢するためにシブタク的な生徒にデモンストレーションをするところ、なんと心臓麻痺でも何でもなく「頭部切断」と書きます
するとどうなるか、学生が持っていたバスケットボールが転がり通りすがりの主婦が落としたフルーツに当たって道路に飛び出しそれをよけようとした自動車が別の車に接触し、その車の屋根にのっていたハシゴが勢いよく飛び出し…なんとネトフリ作品では珍しいくらい盛大にシブタクの頭を真っ二つ!ムダにリアル!どんなピタゴラスイッチだよ!
またミサの手によってライトを追っていたFBIたちが身投げをしたシーンでも見事に潰れたトマトを描いていましたからね、素晴らしい

最終盤でノートの応用が利きすぎている点こそご都合主義を感じましたが、『デスノート』だと思わずに全く別の『DEATHNOTE』だと思えば角もたちませんしむしろ面白かったです

あ、あとリュークがめちゃくちゃかっこよかったのもプラス
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