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マインズ・アイのドントのレビュー・感想・評価

マインズ・アイ(2015年製作の映画)
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 2015年。念動力人体破壊 兼 斧大活躍肉体損壊激闘! CIAや民間研究所による「超能力者探し」の追跡から隠れ逃げていた青年は警官に職務質問され思わずパワーを使ってしまう。「離ればなれになった君の恋人も収容している。会わせてあげよう」との博士の甘言に乗り、おとなしく同行した青年だったがしかし、その博士には恐ろしい野望があった。
 弩グロ怪奇映画『人間まがい』『ブリズ』のジョー・ベゴスによるサイキックバトル映画で、スケールも小さく登場人数も少なく、家が燃えるとかビルが崩壊とかそういうのは一切ないこぢんまりムービーである。念動力を使うと疲弊し血涙や鼻血が出て最悪死ぬためそんなには使えず、銃器や斧による殺傷の方が多い。そういう低予算ゆえの縛りみたいなのを全体からひしひしと感じる。念動力も基本、相手の身体や物品をゴン、と動かすだけである。
 しかしながらふたつの点で、このあたりのちんまり感を乗り越えようと本作は根性を見せている。ひとつはパワーを使おうとする能力者たち、特に主人公の「ヌーーーッ!!」という眼力、顔面力、首から上を真っ赤にする力み具合の迫力がすごい。脳とか血管に悪いのではないかと思うくらい「ヌーーーッ!!」とするので、これは全力だ、フルパワーですよと納得させられる。クライマックスも突き詰めると「ヌーーーッ!!」vs「ヌーーーッ!!」であり絵面としては地味なんだけど前述の熱演、さらに目鼻口からの大出血によって大変な戦いとして昇華されている。
 ふたつ目はここぞ! という時に炸裂するグロ。頭部爆裂は『スキャナーズ』を彷彿とさせつつ壁や天井に飛び散らせて凄味を加えていて、上記の顔面大出血もドボドボでパワーがある。さらに、詳細は省くが後半、斧がガーッ! ってなってザクーッ! ってなるシーン、「ブツ」の感触が相当にゴアっていて、これは単純にすごかった。
 本編84分くらいなのでつまり、そういうモノを見せつけるのに特化した作品と言えるのではないか。ただそこまで見せつけておいての、ラストバトルのフィニッシュはかなり不満。MVPは血管バキバキになってからの博士。なおその昔CIA(とソ連)が超能力を真面目に研究していたのは史実です。
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