andorinha

山のかなたにのandorinhaのレビュー・感想・評価

山のかなたに(2016年製作の映画)
5.0
どこにでもいる父、母、娘、息子の四人家族。でもそれぞれが人には言えない秘密を心に抱えていた…というストーリーの映画は、もしかしたらこの映画の他にもかつて存在したかもしれない。
しかしこの映画が他の映画と一線を画す理由のひとつは、舞台がイスラエルであるということだ。
イスラエルはご存知の通り、非常に複雑な歴史を持つ。そのため、イスラエルと言えばとても物騒で危険な国というイメージを持つ人も多いだろう。かつての私がそうだった。
しかし当たり前だが、そこには人々の生活がある。人々は友人や家族と大切な時間を過ごすし、普通に恋も(不倫も)するし、お腹を抱えて大笑いすることだってある。
この映画は少しずつイスラエルの問題を挟みながら、イスラエルに住む人々たちの日々の営みを、実に軽やかに、時にスリリングに、コミカルに話を展開させていく。そこにはTVや新聞で報道されるイスラエルの記事では分からない、イスラエルの素顔が垣間見える。監督の手腕はお見事という他ない。必見!
andorinha

andorinha