似太郎

ラビング 愛という名前のふたりの似太郎のレビュー・感想・評価

3.8
律儀な演出で淡々とストーリーが紡がれる異人種の夫婦による絆を描いた文芸映画。一応、実話らしい。

主演の夫婦役ジョエル・エドガートンとルース・ネッガの演技が良いので長尺を飽きずに観れるいわゆる【法廷もの】の体裁を取っている作品。そこにアメリカ映画ならではの伝統美を感じる。

この手の人種差別問題へのアプローチ自体に特に新味は無いが、少なからず白人目線というのが何かと引っかかる作風。キャラが全員深刻ぶっており遊び心に欠ける演出。この監督の映画は無機質で感情移入しにくいのが難点かも知れない。

あと途中から登場するマイケル・シャノンの眼鏡の似合わなさには驚いた。(笑)

アメリカ映画らしいオーソドックスな雰囲気自体は捨てがたいんだけど、ジェフ・ニコルズ監督はまだまだ掘り下げ方が甘いかなぁ〜、という気もする。全体的に薄味でパンチの無い作品。
似太郎

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