ワンダーストラック
1927年ニュージャージーの耳の不自由な少女ローズと1977年ミネソタで母を交通事故で亡くした少年ベン。
二人はそれぞれの事情でニューヨークに一人でやって来ますが、偶然訪れた自然史博物館で不思議な運命に導かれていきます。
27年はモノクロでサイレント映画の雰囲気、77年はカラーパートで少し黄色がかった映像の雰囲気、各々が交互に綴られ最後に交わります。
両年代とも中盤までセリフがほぼ無く、映像や音響、効果音を楽しみますがそれらが新鮮に感じます。
ジュリアン・ムーアは二役(ローズの憧れの女優リリアン・メイヒュー役(=ローズの母)と1977年のローズ自身の役)を演じ、この映画を見事に締めくくります。
ローズ役のミリセント・シモンズは実際に聴覚障害があり、細かな表情や仕草を繊細に表現していきますが、ずっと硬い表情のローズが、兄に心を許した時の笑顔がこの映画一番の美しいシーンでした。