ムービーマン

ブレードランナー 2049のムービーマンのレビュー・感想・評価

ブレードランナー 2049(2017年製作の映画)
3.4
前作の壮大で美麗なサイバーパンクの世界観に対し今作は全体的に無機質で荒廃しているように見えました。
前作にあった賑やかさもなく世界観も芸術的でまるで全てが正反対。
静と動であらわすならば明らかに今作は静に重点を置いているなと感じました。
物語の方も少し難解になっており、映像表現も合わせてそこもドゥニ監督らしいなと(静に重点を置いた描き方も含めて)
ただ、スケールの壮大さでいえば壮大であるにも関わらず、静と動の動の部分があまりにもなさすぎて感じにくいのが残念でした。
ここまでどちらかというと今作をネガティブにレビューしてきましたが、ストーリーについては主人公の家の玄関扉に「人間もどき」と落書きされていたりとかなり「差別」をテーマとしていて、人間らしさとは?そもそも何故人間がレプリカントを差別するのか。
現代社会における黒人差別を彷彿とさせるストーリーは良く出来ていると思いました。
後最後にここからはネタバレになるのですが、後半、レプリカントのレジスタンスの女性がレイチェルが産んだ子供が革命の鍵となると言っていたのに対し革命を起こすようなシーンが無かったのは残念でした。
ただもしかすると、終わり方からして続編の為に敢えて描かなかった可能性もあると思います。
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