さすらいの雑魚

クロムスカルのさすらいの雑魚のレビュー・感想・評価

クロムスカル(2009年製作の映画)
3.2
殺人鬼クロムスカルに狙われた主人公の女子が逃げ惑う様子を描いたゴアでスプラッターな映画。が、この映画はただ怖いだけではありません。
主役の愚行が指数関数的に状況を悪化させてゆく様子を罵倒したりイライラしながら鑑賞し、いよいよドツボに嵌まれば『ほら、見たことかっ!』と逆にスカッとするなんて特別な快感が楽しめます。
彼女は自分の命を守るために必要な判断力や勇気を決定的に欠いており、逆にクロムスカルの罠に自分からはハマりに行くかのような行動を繰り返します。結果、彼女の周囲の人達は次々と惨殺されていきます。 でも、主役は殺されません(←主演の特権♫)
グロテスクな描写やサスペンスの演出に力瘤が入ってるスプラッター映画な本作ですが、なぜかコメディ(としか思えません😅)要素も散りばめられています。
例えば、クロムスカルが自分の殺人シーンをビデオカメラで撮影するために肩口に装着したカメラが外れたの(よく外れてる)を毎度のように付け直す不器用で少しユーモラスな様子や、クロムスカルの仮面が接着剤でくっつき無理矢理剥がしたら顔面の皮膚ごと取れちゃうとかは、笑わせるつもりなのか恐怖を煽ってるつもりなのか分からない感じです。
演者さんは真面目に演じられてましたが、カット後の現場は爆笑だったのでは?と思ったりもします。
低予算が明らかな作品ですが、それが逆にこの映画の魅力で、チープな雰囲気、チープな特殊効果が、この映画の不条理さや滑稽さを悪目立ちさせています。 
真面目に怖がるよりも、笑って楽しむ方が相応しく、ゴアでグロがてんこ盛りなスプラッター映画で、微妙なチープ感が濃厚に漂ってる本作ですが、
分刻みで君に襲いかかる衝撃と……笑撃😅に圧倒されること間違いない怪作です♪
とても万人向けとは言えませんが個人的にはアリですね。