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蜂の旅人の犬のレビュー・感想・評価

蜂の旅人(1986年製作の映画)
3.0
寡黙な中年が不良少女の面倒を見ながら放浪するロードムービーでありアンゲロプロスにしては歪ながら情緒やアクションがあるので意外と見やすい。終盤、中年の夢か妄想か、少女が裸体になり暗闇の中『マイサンシャイン』的な性交が行われたかと思いきや、前戯と乖離が断続的なカットで繋がれる。外でも白のワンピースを着ているってことは裸体で寝ていた状態は現実なのか。時代的に関係性がアウトすぎて気持ち悪いが、二人の手前を横切る列車や無人の劇場など如何せんショットが良い。ラストも少女に見放されてカット変わったら茫然状態の中年とか笑うし、自暴自棄になり片っ端から巣箱をひっくり返して無数の蜂に刺される最期(手のクローズアップ)も最高。少女が中年の手の平を噛むシーンの劇伴が合ってなさすぎて困惑する。
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