おれさま

食べられる男のおれさまのレビュー・感想・評価

食べられる男(2016年製作の映画)
3.0
"食われるってことはなあ、死ぬって事なんだよ"

ちょいレビュー久しぶりです。
もの凄く気楽に、忙しい時間を過ごす相方としてチョイス。SFエンタメ作品であり、設定がなかなかに想像を駆り立てる。コメディなのか、社会風刺なのか。

平和条約の為、1週間後に宇宙人に食べられるーーー
宇宙人に食べられるまでの1週間をどう過ごすのか…という映画。ん、どゆこと。
もうこれで興味を与えた映画側の勝ち。

自然でリアルな日常に溶け込んだ内容と、もの凄く哀愁が漂う主人公の物語。これがとっても切ない。毎日毎日…仕事に養育費、同じ惣菜弁当、特に趣味の無い彼に届く被食者認定証。赤紙とした側面を持ち、要するに死の宣告。自分が美味しいのか、いかに美味しく食べてもらえるのか、そんなことを考える村田さんを自然と応援してしまう自分がいる。

タコとかUFOキャッチャーとか宝物とか、宇宙人を連想させるような小道具使いも、来る捕食日を意識させるかの如く。挿入歌も訳分からんけど、それはわかろうとしないだけだったのかも。
映画としての粗はあれど、観る興味はそそられた。無名キャストを揃えた、B級ではあるけれども、なんとなく心に響いたような囁かれたような、そんな作品。
なんてことのない話だけど、
なんてことのない気持ちの時に。

美味しく食べてもらうために全身にクリームを塗ったりパックをしたり、頭になんかつけたり、変なの飲んだり、食べられるって大変なんですね。
おれだったら糞便は宇宙人さんに食べさせるの申し訳ないので、大腸内を空っぽにする為に2日間は絶食にしますね。

まっ、そんな難しいことは考えず…誰かにとっても、題名のような味付けの効いた美味しい作品になると良いですね。いやどゆこと。


〜♫*.

明日をみつめて 泣いてる人は
幸せに見えるのよ

明日をみつめて 泣けない人は
どんどんぶらぶら歩くだけ

どんどんぶらぶら歩くだけ
おれさま

おれさま