失った大切なそんな存在を、探し追い求め続けるジュリエッタの心穏やかにではない日々が観ていて重くつらい。
1つの喪失が、また次の喪失を生む連打。
にジュリエッタは気がつかない。
また自分の喪失が彼女を愛するロレンソを傷つけていることを。
そうして世界中に「喪失」がウイルスのように蔓延して気がついたら全ての人間がいつか「孤独」を味わうことになるのだろうか?
ペドロ アルモドバル監督の作品らしく色彩鮮やかな映像なのに、始終重々しい暗さがある。
そこには女の持つ陰の部分をとことん追求するから見ていて苦しいけど、目守らなきゃいけない気がしてくる何かがある。
監督の美学であろう手紙中心のストーリー展開は、少し消化不良でもあったが映像は驚くほど美しかった。
でも母親3部作のなかでは一番地味な作品だった。