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ジェイソン・ボーンのNAO141のレビュー・感想・評価

ジェイソン・ボーン(2016年製作の映画)
3.6
まさかの続編。
「今後続編があっても出演するつもりはない」的な事を言っていたような気がするマット・デイモンだったが、まさかまさかの復活。元々この『ジェイソン・ボーン』シリーズで一躍有名になり、アクション俳優として活躍することにもなったマット・デイモンにとって、このシリーズはやはり思い入れがあるのかもしれない。まぁ、このシリーズが好きな者にとって、マット・デイモンの『ジェイソン・ボーン』が復活するのは嬉しいんだけどね笑。そういえば、『X-MEN』で一躍有名になったヒュー・ジャックマンも『LOGAN(ローガン)』を最後に「もうウルヴァリンの役はやらない」的な事を言っていた気がするが、これまた『デッドプール&ウルヴァリン』で、まさかまさかの復活をする笑。ファンにとっては嬉しいものの、「これが最後!」としながらも復活する点は嬉しくもあり、複雑でもあり…笑。まぁ……いいか。

さて、本作であるが、当初の作品タイトルは『ボーン・リサージェンス(復活)』だったらしいのだが、ほぼ同じタイミングで公開される事になった『インデペンデンス・デイ』の続編もタイトルが『インデペンデンス・デイ:リサージェンス』だったという事もあり、シンプルに『ジェイソン・ボーン』に改められたようである。〈新章スタート〉という位置付けだったようだが、新たな幕開けというよりは「もう1本製作しちゃいました!」的な感じ。物語冒頭からムキムキのジェイソン・ボーンが肉弾戦をしているが、そこからすでに「なんかボーンシリーズではないなぁ。このシリーズ、頭脳戦で敵を翻弄するボーンが売りだったんだけどな」と感じた。人気シリーズであっても、月日が経ってからの続編というのはやはり難しいものかな、と感じてしまったよ。ニッキーの扱いが酷い…そりゃないよ…。パメラも登場しない。『ボーン・アルティメイタム』でうまく完結していたシリーズであったのに、さらに続編を製作してしまった事でなんだか散らかった感がある…苦笑。

元々このシリーズは〈ボーンの過去に何があったのか〉を、組織と戦いながらボーン自身が見つめ直していく〈エピソード0〉的な要素を交えながら描く事で、オリジナル作から『ボーン・アルティメイタム』までで、うまくまとまって完結していたのだが、新たな続編(本作)でまたまたボーンの過去をほじくり返した事で、うまくまとまっていたものが散らかったような…。いまさら〈ボーンの父親も実は…〉と言われても、「そりゃ強引な後付けだろ~」って感じちゃうな。

ちょっと「う~ん」な作品だけど、出演者はなかなか魅力的。『エクス・マキナ』で有名なアリシア・ヴィキャンデル、『ブラック・スワン』で有名なヴァンサン・カッセル、そして缶コーヒーのBOSSで有名な宇宙人である我らがトミー・リー・ジョーンズ(『メン・イン・ブラック』が有名だよね)。トミー・リー・ジョーンズが敵役というのは個人的には新鮮だった。この方は『ボルケーノ』で忙しく動き回る局長の役がしっくり来るんだけど笑、今回の役どころもなかなか良かったかな。

「続編ってのは難しいものだなぁ」とつくづく感じてしまう。人気作の続編となると余計にハードル上がるよね。けれど、久々にマット・デイモンの〈ジェイソン・ボーン〉を観れたのは良かった!このシリーズは毎回のカーチェイスになかなか迫力があるのと、ラストが常にかっこいい終わり方なんだよね~。
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