EDDIE

しあわせの灯る場所のEDDIEのレビュー・感想・評価

しあわせの灯る場所(2014年製作の映画)
3.9
酒に溺れる元メジャーリーガーとダウン症の少年の交流を描くヒューマンドラマ。人は互いの事を知り、赦すことが重要だ。少年はなぜいつも聖書を携帯するか。ラストは感動的なフィナーレだが、もう少し丁寧に描くと傑作になり得た惜しい作品。

この手の作品は多くの方に受け入れられそうなとても優しい物語です。
かく言う私も大好きな部類。

キャストは無名俳優ばかりで1人も知る人がいないですが、主演2人を中心にみんなとても素敵な演技をしていました。
自身も自閉症であるデビッド・デサンクスの優しく明るい雰囲気が、全体的にトーンの抑え気味な作風に涼しげな風を与えていました。

アルコール依存症に悩む主人公のカルヴィン・キャンベル。彼は元メジャーリーガーですが、肝心な場面で打てないことから酒に逃げていた模様。
メジャーリーグから退いてからも、男一人手で娘のケイティを育てている苦労も見えます。だけど、やはりアルコール依存症の根深い問題は彼を蝕んでいるようです。

ある日カルヴィンは近所のスーパーで懸命に働く自閉症の少年プロデュースと出会います。徐々に交流を深めていきながら、カルヴィンは自分の抱える問題と向き合い前に進んでいくという具合のストーリーです。

物語はもちろん様々な紆余曲折があるんですが、それを垣間見ながらのラストシーンはとても感動的です。
ただ不満点も少し残ります。

ネタバレになるので言及は避けますが、あれじゃあ親友のミルトンが救われない気が…。
聖書を前進するためのきっかけとしながらも、物語自体が命を軽視しすぎな感覚を覚えてしまいました。

本当にラストが感動的な一方で引っ掛かりを残してしまうあたりが残念でした。

全体的には主人公(娘から見るとパパ)と娘の恋人を対比的に映すのも上手かったですし、ハグや聖書の使い方も良かったんですが、それなのにそういう展開にするかぁと。ホントにそこだけ。あとは本当に素敵な作品でした。

※2020年自宅鑑賞290本目
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