浅野公喜

マリリンに逢いたいの浅野公喜のレビュー・感想・評価

マリリンに逢いたい(1988年製作の映画)
3.4
オス犬のシロが対岸の島のマリリンという犬に逢う為に海を泳ぐ実話をベースにしたドラマ。シロ役は本物のシロが演じたそうで、この頃(80年代後半)は「子猫物語」「ハチ公物語」といい犬や猫を取り上げた作品が目立ちますね。タイトルのフォントがトレンディというか、この時代らしいです。

民宿を経営する青年とその兄とのちょっとした確執、海で妹を亡くした悲しい過去、東京からやってきたカメラマン志望の女性との恋愛要素も用意され、時にシロ達に勇気付けられたり行動を促されるわけですが、それぞれの要素が効果的に作用していないというか、それら人間ドラマの部分が弱く犬と人間の絆の強さが思ったより描かれてません。しかし広くて美しい沖縄の自然はよく撮れており、海や島を泳ぎ駆け抜けるシロの姿は(モコモコした子犬時代含め)ちょっとした癒しになりました。

主題歌は「DEAR〜コバルトの彼方へ〜」(By荻野目洋子)。何故か鈴木清順監督も獣医役で出演。シロとマリリンの像は舞台となった阿嘉島と座間味島にそれぞれ有ります。
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