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湾生回家のkazu1961のレビュー・感想・評価

湾生回家(2015年製作の映画)
3.8
「湾生回家」
原題「湾生回家 Wansei Back Home」
2016/11/12公開 台湾作品2019-063

私は何度も台湾に訪問しました。日本人が訪問しても温かさをかじられるアジアでは珍しい国ではないでしょうか?少しでも台湾が好きという方なら是非観てほしい台湾ドキュメンタリー映画です。
「湾生(わんせい)」は、一言で言うと「戦前に台湾で生まれた日本人」のことです。1895~1945年の日本統治下の台湾に移住した日本人の2世、3世のことです。当時、台湾で生活していた日本人は敗戦にともない、本土への引き上げを余儀なくされたんですね。
そして、タイトルにある「回家」とは直訳すると「家に帰る」ということです。この映画は、かつて故郷から離れざるをえなかった湾生の方々が、それぞれの “失った故郷” を、懐かしい人たちを訪ねるドキュメンタリーなんですね。
ドキュメンタリーなのに胸がグッとくるそんな作品です。
台湾人と日本人の関係。かつてはひとつの国として歩んでいる時期があったそんなことが、リアルに伝わってきて、日本と台湾の過去が、関係がどうあるのかが肌で理解できるそんな作品です。
所々で当時の実写や挿入されるアニメがまたグッとくるんですよね。
わたしもレビューを観ての初見でしたが、観て良かったドキュメンタリーです。

戦前の台湾で生まれ育った日本人を指す「湾生」たちが、故郷である台湾に里帰りし、懐かしい人びとを訪ねるドキュメンタリー。1895年の下関条約締結から、終戦の1945年まで、日本の統治下にあった台湾。この時代に公務員や企業の駐在員、移民として海を渡った農業従事者などが日本から台湾へと移り住んだ。彼らの大半は日本の敗戦後、中華民国の方針により、日本本土に強制送還された。その数は50万人にもおよび、そのうち、台湾で生まれ育った「湾生」は約20万人といわれている。戦後70年で高齢化した「湾生」たちが、日本から生まれ故郷の台湾の地を訪れる姿を追い、彼らの人生、引揚者の思いが描かれる。本作は台湾のアカデミー賞ともいわれる金馬奨で最優秀ドキュメンタリー作品にノミネート、大阪アジアン映画祭2016で観客賞を受賞。
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