もこもも

ブランカとギター弾きのもこもものレビュー・感想・評価

ブランカとギター弾き(2015年製作の映画)
4.2
路上で孤独に暮らす少女ブランカと年老いた盲目の路上ギター弾きのピーターの旅を描いた大きな余韻を残す多面的なヒューマンドラマ

"家 それは誰かが
あなたを待っていてくれる場所"

余韻が残る美しい映画
ラストシーンが本当に素晴らしい
ほっこりさせられる作品ってよりも
心に深く響く美しい作品やった

「目の見えない人間ばかりなら
 戦争は起こらない
 見えるものにこだわりすぎだな」

作品で登場する多くの子供に目を引かれる
ストリートチルドレンの現状をリアルに感じて、
幸せのあり方について考えさせられる
視聴後に知ったけど、ブランカ以外のキャストは
実際にスラムにいた人やということに驚いた
映画でもありドキュメンタリーでもあるのね
そんなストリートチルドレンやフィリピンの現状のリアルを描いた作品だからこそブランカとピーターの絆がより尊いものとして映って感動させられた
お母さんを求めていたブランカやったけど
ピーターが親であり家になったね

序盤は特にほっこりするシーンが多くて、
ブランカとピーターの絆が深まる様子、
遊園地の睦まじい様子にほっこり
ブランカがピアノを弾くシーンも
『ビッグ』を思い出してほっこりした
不思議と人を惹きつけるブランカの歌声も
素朴やけど胸に沁み込むフィリピンの情景も素敵

親、家、環境について
親と普通のお金があれば、小さな子供たちがお金を意識することなく純粋に楽しいものに目を向けて生きれるのにそれが許されない環境で生きる子供たち
人を不幸にしたいのではなく、ただ自分が生きて行くために悪行を重ねる負のサイクル
果たして悪いのは盗みを行う子供なのか...

ブランカもセバスチャンがとっても可愛いかった
ブランカがセバスチャンの手に触れて
「これで夢に出れるね」っていうシーン好き
セバスチャンが大好きで、
ブランカをお姉ちゃんっていう姿に感動
ラウルも環境の犠牲者ではあるけどブランカを閉じ込めて怖い思いをさせたことは許せない

子供を買う大人はいるのに
大人を買う子供はなぜ駄目なのか
ブランカがピーターに言ったこのセリフに
自分はどう答えたらいいのか分からなかった
出てくる言葉がどれも違う気がする
いつか分かる時がくるのかな

ピーターと別れて生きたからこそ、
孤児院に行ったからこそ、
ピーターと一緒に生きたいっていう
ブランカの想いの強さと深さを感じる
セバスチャンがずっと気掛かりやったけど、
最後はピーターと一緒にいるようで安心
セバスチャンもブランカもいい子に育ってほしい
ラストの2人の笑顔が目に焼きついてる

「歌を歌えばなんとかなるさ」
もこもも

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