音痴だけどカーネギーホールでリサイタルを開いた実在のフローレンス・F・ジェンキンスをモデルにしたフランスの作品。
主演のカトリーヌ・フロが表情も動きもとにかく可愛いし(おば様ですが)、音楽への愛が溢れていて純粋で、夫にも忠実で見ているうちにだんだんと切なくなってくる。
財力がある所には腹黒い輩が集まるのは世の常で、純粋なマルグリットもそんな取り巻きに利用されている節は多々あるものの、彼女の心の中はオペラと夫の事だけ、そこが清々しい。
妻が音痴である事を知らせるべきはずの夫は「真実を知ったら妻は自滅する」とか言って中々本人に言わないし、そのくせ妻の友人と浮気はするしで救いようが無いんだけど、この夫が段々良い味出して来るのです。
後半にはマルグリットをずっと支えていた忠実な執事の欲も見えてきて、ラストは「どうなるの?」という感じです。
何事にも光と影がある事を教えてくれます。
マルグリットの歌をカトリーヌ・フロが本当に歌っているとしたら、それはそれで又凄い才能かも(笑)
マルグリット以外は美しい歌声なのでそちらは楽しめます。