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凱里ブルースのkazu1961のレビュー・感想・評価

凱里ブルース(2015年製作の映画)
3.7
🔸Film Diary🔸
▪️本年鑑賞数 :2021-645
▪️死ぬまでに観たい映画1001本-※※※

🖋時間や場所、そして主体が飛ぶようにコロコロと変わるプロット、時折無造作に差し込まれるワンカット、犬やコップや魚やショベルカー(ショベルカーがトラックからこうして降りるんやと感動してしまいました(笑))、そしてさらに時折差し込まれるラジオの声、仏教の一節や哲学的な言葉。。。それぞれのシーンに意味があるのか無いのか、白昼夢を見てるような摩訶不思議な感覚に襲われます。まあ、時折時勢がわからなくなるのが難易度大。。。

🖋最大の見どころは、中盤からの驚異の40分長回し。途中で立ち寄った小さな町での自らの過去・現在・未来を辿る旅。これぞビー・ガン監督の真骨頂。この40分の内容をどう理解するかで本作の捉え方が変わって来るでしょうね。。。その必然性を理解したとしても、ビー・ガンは、やはり作品と映像を“詩”のように捉えているんですね。これは“アート作品”と呼ぶべき作品でしょう。

🖋さらにビー・ガンの出身地でもある凱里が舞台。中国南部の田舎に充満する濃密な空気感に蒸せ返るような感覚になりました。。。

🖋本作、約40分の長回しシーンを交えながら主人公の旅を描き、ロカルノ国際映画祭で最優秀初長編賞を受賞した中国発のドラマです。監督は詩人でもある『ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ』のビー・ガン。出演はチェン・ヨンゾン、ヅァオ・ダクィン、ルオ・フェイヤン。

🖋独特な世界観で尚且つ理解するのに難易度が高い作品なので、好き嫌いはハッキリ分かれる作品ですね。ハマる人はめっちゃハマるかと。。。

🤔Story:(参考:yahoo movies)
霧と湿気に覆われた貴州省の凱里市にある小さな診療所で働く医師のチェン・シェンは、他界した母親の願いをかなえる旅に出る。診療所の彼のパートナーである老婦人は、チェンに病の床に伏す昔の恋人のために思い出の品を託す。チェンユエン郡に向かったチェンは、道中のダンマイという小さな町で過去、現在、未来を経験する。

🔸Database🔸
・邦題 :『凱里ブルース』
・原題 :『路邊野餐 Kaili Blues』
・製作国 : 中国
・初公開 : 2015
・日本公開 : 2020/06/06
・上映時間 : 110分
・受賞 : ※※※
・監督 : ビー・ガン
・脚本 : ビー・ガン
・原作 : ※※※
・撮影 : ※※※
・音楽 : リン・チャン
・出演 : チェン・ヨンゾン、ヅァオ・ダクィン、シェ・リーシュン、ユ・シーシュエ、クオ・ユエ

🔸Overview (参考:映画. com)🔸
「ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ」での3Dのワンシークエンスショットという演出で注目を浴びた中国の新世代監督ビー・ガンが、2015年にメガホンをとった初長編監督作品。監督自身の故郷である凱里で撮影され、出演者の大半が監督の家族や親戚、友人などがキャスティングされている低予算の作品ながら、スイス・ロカルノ国際映画祭の新進監督賞と特別賞、フランス・ナント三大陸映画祭グランプリ、台湾の金馬奨で最優秀新人監督賞など各国の映画祭で多数受賞した。凱里にある霧に包まれた小さな診療所に勤務し、幽霊のように毎日を送るシェン。刑期を終えて、凱里に帰った時には妻はすでにこの世になく、かわいがっていた甥も何者かによって連れ去られてしまった。シェンは甥と同じ診療所で働く年老いた女医のかつての恋人を捜す旅に出る。その途上で立ち寄ったダンマイという名の村は、過去の記憶、現実、そして夢が混在する不思議な村だった。
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