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牛のsonozyのレビュー・感想・評価

(1969年製作の映画)
3.5
イランの小さな村。
知的障害のある男を村人全員(子供も含め)でいじめているという、何これ??なシーンから始まる。

そこに登場するのは、牛を連れた一人の男ハッサン。(濃いヒゲにつながり眉毛)
妊娠中の一匹の雌牛を異常なほど愛でている。

Bolourisと呼ばれる隣町の民兵?達が、この小さな村から、羊などを奪う事件が起きており、ハッサンの牛も狙われるのではと村人も心配している。

ある朝、そんな不安を抱えながら、何日か仕事に出るハッサン。
翌日、ハッサンの妻の号泣に驚いた村人が集まると、妻が牛舎に水をやりに行くと、ハッサンが愛する牛が血を吐いて死んでいたという。

牛が突然死んだ原因は不明だが、ハッサンがこの事実を知ったら大変なことになると、村人たちは牛は逃げ出したという事にしようと、皆で牛を埋葬する。
知的障害のある男はしゃべってしまう可能性があるという事で、廃墟に閉じ込めてしまう。

そして、ハッサンが帰ってくる。。。

なぜ、ハッサンはここまで雌牛を愛でたのか?は、謎のままです。確かに可愛い牛なんですが。

また、この村の人たちはどうやって生計を立てているのか?も気になります。本筋と関係ありませんが。笑;
働きに出たのはハッサンだけだし、村人(子供も多数)はハッサン対策会議で集まったり、のんびり茶を飲んでるかで、学校もなさそうだし、家の小窓から終日外を眺めてる男もいたり。笑

この作品から、イランのニューウェイブが始まったと言われる作品のようですが、なんとも不思議な読後感でした。
ヴェネツィア国際映画祭 FIPRESCI賞ほか。
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