ポンコツ娘萌え萌え同盟

蜘蛛 第二部「ダイヤの船」のポンコツ娘萌え萌え同盟のレビュー・感想・評価

3.7
第一部がインカロマン溢れる王道の冒険活劇なら、第二部は冒険譚よりもサスペンス色をかなり強めた印象。前作がショッキングなラストだったので今回のスジはケイの復讐譚になると考えたが予想は外れ。
復讐を描くならケイの心情はもっと増えるはずだがほぼ希薄だし。純粋に仏頭の形をしたダイヤを巡ってケイとリオ・シャが率いるスパイダーズの第2戦目。

ただラングがサスペンス映画なのもあって一定の面白さは裏切らない。冒険ロマンで見れば前作より劣るが、サスペンスの表現が前作よりオシャレ。序盤の映像を俯瞰してみた犯行場面。王道の壁のギミック。グラスに入った飲み物に指を浸し、金額をテーブルに描く場面。インド場面で長く伸びる手の影。サスペンスとしてのロマンはそれなりにある。

特に本編に2度ほどある"電話"の場面がオシャレで好きだ。
双方とも映像合成を駆使して繋がることを表現しているが、方や複数人で繋がるのを描き、もう一方では電話をかける場所とと繋がる相手の部屋を場所を合体させている。スプリットスクリーンとは異なるがそれに近い面白さがある。
正直全体的な表現に関しては個人的には第二部の方が好きだ。
セットの面白さもそれなりに健在で、前作の古代的なインカと打って変わって今回はチャイナタウンの地下街を楽しむもよし。ただところどころにぶら下がっているのが中華灯籠じゃなくて和提灯だったのが違和感で笑ってしまった。