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ザ・ディスカバリーのsoffieのレビュー・感想・評価

ザ・ディスカバリー(2017年製作の映画)
3.5
2017年アメリカ映画

ルーニー・マーラのプラチナブロンドが最初から印象的だった。

Netflix、SF/ミステリー映画


鑑賞後の感想としては
壮大なテーマにフワッとしたストーリー、タイムリープモノや輪廻転生モノが好きな人(私)には特に考えさせられる映画だと思った。

最初から最後まで映像の景色や抑えた背景の色合いが美しい。

海とお城と暗い室内

高名な科学者が死後の世界がある事を発見した事で自殺者が増え続ける世界線で、科学者の息子が父親の元を訪れて自分の考えをぶつける「自殺防止」映画かなと思ったら、最後の15分でそっちではなくもっとドラマチックな内容でタイム・ループモノだと分かる…

おっとこれ以上言ったらネタバレになってしまう。

最近、なかなか観たいと思う映画が無くて(観たいものは配信アプリに無かったり🥲)
Filmarksレビューも数ヶ月書くことが出来なかった。



〜〜〜〜〜〜⚠️以下ネタバ⚠️〜〜〜〜〜
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主人公の博士の息子は父親の研究が自殺者を増やす事に自責の念を持っている。

それはどうやらその息子が子供の頃事故で数分間心肺停止状態になって、一命を取り留めて意識が戻った時に、現実では死んでいる状態なのに「光」と「小さな男の子」が居る所に行っていたと言った言葉を聞いてから、父親の研究を導いてしまった事が原因らしいが…

彼の自責の念は、映画を最後まで観るとただの子供の頃の事故だけでは無い事が分かる。

この映画のテーマは何?と問われたら
「死ぬ程の後悔をしないために日々の生活と身近な人を大切にしましょう」って事だよね🤔と思った。

この映画を観て思い出したのが
最近、米国の権威あるアイズナー賞を受賞した萩尾望都(小さい時からファンです)の短編漫画で(題名は忘れたが)若く美しい娘が占い師の老婆の所へ行って恋占いをしてもらう

老婆は彼女を占って
「おまえは恋に落ちる
そして何度も何度も繰り返す」
と言う言葉と一緒に
SF世界の様な宇宙で宇宙服を着て探索をしているが目の前で恋人が事故を起こしてしまう場面から、いきなり時代が飛んで
中世ヨーロッパの様な風景の中
美しい青年が彼女の足元に倒れている
彼女は泣きながら彼の目がもう一度開く様に抱き抱える
そして時代が変わり今度は彼女が彼の足元に倒れている。
2人は違う時代になっても出逢い惹かれ合うが、どちらかが必ず死んでしまう。
お互いの魂は相手を探し求めてまた違う時代に出逢うがまた死んでしまう

それが数ページの短編なのにドラマチックに台詞も無く描かれている。

この「ザ・ディスカバリー」は違う時代には飛ばないが、違う次元に飛んで同じことを少しづつ違うパターンを踏みながら繰り返す映画。

「死後の世界」なのか「脳が見せる残像」なのかで大きく答えは変わってくる。

この映画の終わり方は希望的に描かれている。

自分の事を書いてしまうと
コロナ禍になる数年前から「やる気」が全くわかない「燃え尽きた症候群」になっている。

しかしコロナ禍以前はそれでも前向きに日々の生活に取り組もうとする努力をしていたが、コロナ禍になってそれもめんどうになってしまった。

「夢も希望も無くなった」と言うと大袈裟かもしれないが、なんで生きているのか答えが見いだせない状態が続いている。

何か原因があるのかと自分に問うと
特に無い。
例えば失恋とか愛する人が亡くなったとか、仕事に失敗したとか…特に無い。

芥川龍之介は「人は一つの理由で死んだりしない」と言ったそうだけど
「生きている理由」が無いので死にたいと思うのはもしかして「鬱」の状態なのだろうか?

しかし生きるために常に「夢」や「希望」や「情熱」や、あるいは「後悔」「罪の意識」が必要ならば人間って生きるの大変だなと思う。

人は生きるために「目標」や「目的」を持ちたがるが、動物はそんな事考えていないだろう。

哺乳類の中でも飛躍的に進化した様に思われている人間も結果として100年~200年単位で同じ事を繰り返しているように思う。

相変わらず基本「人は1人では生きられない。」

映画の中に出てくる人達は、大きな後悔を抱えている、そのため死のうとしたり、死んでしまった人がどこか違う次元に行っただけでまだ生きていると過程していたり。

ブラックジョークの映画「ハッピーデスデイ」やトム・クルーズの「オール・ユー・ニード・キル」(原作派日本の漫画)を観てみても、とにかく1度死なないと次に行けない、修正に次ぐ修正を重ねて輪廻転生と言うより本当にタイム・リープして自分の周りの状況を変えようとする映画は見ていて面白いが、1度死なないといけないところがなかなかハードルが高い。

「やり直したい事」が「やり直せる」なら1度死んでもかまわないと思う人もいるだろうが、ここで問題なのは「特にやり直したい事が無い」場合、死んで次の次元に行ってまた同じ事の繰り返しならわざわざ死ぬ事もはばかられる。

なのでこの映画の登場人物は
「死ぬ程の後悔」を抱えている

「妻が夫のために食事を用意してくれたら
自分の事は置いておいて
とにかく夕食を食べに行きなさい」

という注意喚起を描いている

そして主人公が子供の頃1度、心肺停止状態になった時にあちらの世界で見た小さな男の子とは自分自身ではなく、弟でも無く、いずれ将来出逢う人の自殺原因になる子供なのかもしれない…と思うと
いろいろ気になってあれこれ考えてしまうのでこのレビューを書きながら頭の中を整理している。

100分程の映画だが、最後までダルくなる事無く観れた映画。
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