シネマスナイパーF

ゴジラvsコングのシネマスナイパーFのレビュー・感想・評価

ゴジラvsコング(2021年製作の映画)
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友よ―


俺はコング
人間達がちょっかいを出してきてから数十年
ゴジラさんから守るとかよくわかんねえこと言ってる輩どもに飼われている
アクビぐらいさせてくれや
小さくて可愛い友達がいる
なんか急に外出されたんだけど何事でしょうか
そしてやっぱりゴジラさん来た

俺はゴジラ
他の怪獣君達が落ち着いたみたいなので俺も大人しくしてたんだけど、倒したはずの宇宙怪獣のエネルギー感じたんで様子見に行く
少しは落ち着いて人間
あれ!?コングじゃんか!!おったんかワレ!!挨拶ぐらいしろやオイ!!!

ゴ「どこで油売ってたんだよコラァ!!!」
コ「好きで隠れてたんじゃねえんだよ!!!あと今色々とイラついてんだよ後にしてくれよ!!!!!」
ゴ「うるさい」
コ「ああああああ!!!!」

ゴ「ちょっとやりすぎたからこの辺で帰る」
コ「」

って感じでどんどん加速していき、しまいにゃ小栗旬が白目をむき、水ぶっかけて機械にエラーを起こさせる原始的な展開が待っている
これを笑っていい雰囲気を作れているので、この映画は大勝利を収めていると断言します
だってコングのモーニングルーティンから始まるんだもん
祭り!!!!!


真面目な顔した人間ドラマはなあなあになるぐらいならやらない方がいい、と割り切っている
モナークの存在感が超薄くなっていることが地味に大きいのかもしれない
なんというか、人間ドラマをやろうとしなくてもいいけど、人間パートはあった方が盛り上がるよね、という良いバランス
この映画での人間は大体の連中が余計なことする奴らで、盛り上げ役と言っていい

初登場で微塵も活躍しないメガネボーイが何故かセキュリティ解除をやらされ、案の定できない挙げ句HTMLかじっただけなんだけどもとか言い出すから爆笑
バーニーとメガネボーイは俺たちが映画の中に入ったらきっとこうだろうってのを体現してくれている
お笑い多めとはいえ、手話の捉え間違いを活かすくだりがあるなど、雑さと勢い一辺倒にはなっていない

チームゴジラは勢いの良い人間多め、チームコングは繊細な人間多めといった色分けで、怪獣の性格が人間側に影響してんのも良い
感情の流れが生まれやすい分、当然コング側の方が多めに描写されてんだけど、描きこみ薄めゴジラは圧倒的王者として君臨していてゴジラ派の俺は嬉しかった
最終的には徹底して利己的な人間達が最悪の事態を巻き起こす、という展開も、怪獣プロレスにおいてはストレスが溜まらない素晴らしいもので、しかもそっち側の人間達は怪獣達にあっけなく殺されていくという快感付き
生まれたアイツも最高のプロレスを演出してくれたし、全員が全員いい仕事をしたと思うよ俺は
ただアイツのデザインは気が遠くなるほどダサかった


聖剣ならぬ聖斧を手にするあの場所を登場させたことで、さらなる世界の広がりが見えたモンスターバース
まず見やすい昼間にしっかりとバトらせ、いざ本番では香港のネオンでの試合というお祭り、最高です
香港戦の熱はパシフィック・リムに引けを取らない素晴らしさで、両怪獣が考え得る限りのカッコいい動きを見せまくる
首を捥ぐ習性がここでまた出たか〜!!!と思わず唸りました
チャンピオン、ゴジラ!挑戦者、コング!!この試合、必見!!!!!
チームゴジラが三人並んでガッツポーズしてるとこ超微笑ましかった