ぱったい

ガタカのぱったいのレビュー・感想・評価

ガタカ(1997年製作の映画)
3.8
設定はそう遠くない未来 (この映画が公開されたのは1997年)

生まれた瞬間にどんな病気にかかるのか、何歳で死ぬのかが遺伝子からわかる世の中。そんな世の中では、当たり前に遺伝子操作が行われており、自然に任せて子供を作り生まれた子を « 神の子 »、« 愛の結晶 »などと作中では呼んでいる。主人公であるヴィンセントは自然に任せて生まれ寿命も30歳と生まれた時に診断されて
いた。ヴィンセントは身体が弱いが故に学校に通うことも許されなかった。そのため、両親は第二子には遺伝子操作を行うことを迷わず決め、遺伝子的に秀でている次男のアントンを出産する。常に劣っていることを感じながら幼少期を過ごすもヴィンセントは宇宙に行くという夢を抱き続ける。
宇宙に行けるような人物は、人類のトップの遺伝子を持つもののみであることは周知の事実であった。ヴィンセントの家族はヴィンセントは« 不適正者 »であるため夢を諦めるべきだと言ったが彼は諦めなかった。彼は幼少期から優秀な弟アントンと海でどちらが遠くまで泳げるかを競い、いつも負けていた。しかし、一度アントンが溺れかけたのを助けたのを契機に家を出た。

« 不適正者 »のID(血液、毛髪など)ではガタカには入ることができない。類まれなる遺伝子を持ちつつも水泳で1位を取ることができず、自殺未遂で半身不随となったジェロームと契約を結ぶことになった。そして、ヴィンセントはジェロームとしてガタカに入ることとなった。

上記が大まかなストーリーだ。

ジェロームはなぜ最後あのような決断をしたのか?
ヴィンセントが夢を叶えたことを支えられたから自身の人生に満足したのか?
ヴィンセントを疑いの目を向けられない完全なジェロームにしようとしたのか?
その点がまだまだ考察しがいがある見応えのある作品だと思った。

[自分の可能性を決めるのは自分である]
まことに手垢のついたメッセージを主軸としている作品だが、それを嫌味なくスッと伝えられるこの作品は魅力的だと思った。
ぱったい

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