このレビューはネタバレを含みます
ミュージシャンとして旅に出たまま戻らなかった高祖父が原因で、高祖母により音楽を禁止されたメキシコの一家の少年が、密かにミュージシャンを目指し、「死者の日」に死者の国で故人の高祖父に出会い、彼のミュージシャンとしての評価、彼とその娘である曽祖母との絆、そして一家に音楽を取り戻す CG アニメミュージカル。背景の「死者の日」、6世代にわたる一家の絆、「音楽とは？」の問い、さらに「高祖父が実は…」の意外性もあり、豊穣な作品。「顔の無い写真とくれば想定と別人物」だが、本作では序盤で「高祖父は有名ミュージシャン」という第一の意外性が提示され、「さらに別人かも」までは思い至らず、巧妙な脚本。一方で、死者の国の諸ルール（「生者の国で写真が飾られていることが死者の日に帰宅できる条件」など）は、やや強引に感じた。ミュージカルとしてはまずまず、また死者の世界でもパンクバンド、実験音楽、グラスハープ、DJ と多様性が描かれ、これが一般観客に受容される新大陸の音楽土壌は羨ましい
