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帰ってきたヒトラーのkimaguremovieのレビュー・感想・評価

帰ってきたヒトラー(2015年製作の映画)
3.6
『歴史は繰り返されるのさ』と呟きながら見始め、序盤はあちこち面白くて笑ってました。ヒトラーは今ならエンターテナー。コメディ的に楽しかった。
しかしヒトラー。『昔だから』ではなく『今でも』アジテーターであり独裁者であることを、おばあさんのたった1シーンで思い知らされた。頭から水を浴びせられた。
リーダー。国民が選んでいるのではなく、政治が、究極的には独裁者が国民を操って存在している。世論なんて危ういものだ。
映画がつくられた2014-15年より、今の世相は寒々しい。14-15年も、実際の街角は不満に溢れていた。ドレスデンなど東独エリアのインタビューとはいえ。不満と分断は、いまはきっともっとでしょう。
昨今の感染症を巡る政治家の言動をみるにつけ、国民反応をみるにつけ、今も終戦に至ったこの国の構造は変わっていないと思っていたところなのでタイムリーなテーマでした。
『子供たちは教育されている(からあんな誤りは繰り返されない)』というけれど、それこそ何も変わっていないことの証。
最後にはやはり『歴史は繰り返されるのだ』ともう一度思った。それを思わせる映画だとしたら、ドイツ人が受け入れるのももっとまだと思いました。
ラストシーンはノーコメント。どんな意味なのだろう。
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