Natsumi

帰ってきたヒトラーのNatsumiのネタバレレビュー・内容・結末

帰ってきたヒトラー(2015年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

(久しぶりに超長いから読まなくていいです😉)

ヒトラー全盛期時代が白黒映像なのに対して、本編がビビッドに映えるとっても鮮やかな色調なのが印象的ですこ🫰🌈
ヒトラーがいろんなことに積極的に挑戦したり、現代を生きる国民に政治観を直接インタビューしてコミュニケーションをとっていく……というオモロ構成に、クスッと笑える要素がたくさん散りばめられていて「笑える楽しい風刺映画」って感じなんだけど、途中から一気にガチトーン風刺になるので大好きというか、すごく考えさせられる大切な映画🎬

コンピューターとインターネットの発達に感動して泣くヒトラーワロタwww
ただどれだけ愉快で楽しくてカリスマ性があっても、家族を殺されたり、人生を奪われた人達がいて、その事実は変わらないんだよな。クレマイヤー嬢のおばあちゃんとのシーンで改めてはっとさせられる………

人の心を掴むことはとてもすごい才能だけど、それがその人の行いを肯定することにはならないと思う。「何を言ってるか」じゃなくて「何をしてきたか」でその人を判断しなきゃいけないし、たまにそれを誹謗中傷と混同するやばい奴いるけど、その人の政治家としての資質を正しく評価することは絶対に必要だし、むしろそれしないと正常に機能しなくなるけど大丈夫そ???🙄
自分が正しいと思うこととの乖離があっても、「楽しい」「人気がある」だけの理由で擁護できる人たちの気がしれないし、何が正しいか自分の考えを持たずに、周りの反応で決める人って「じゃお前の脳みそいらんくね?」って思っちゃう🧠➡︎🗑️

危機感を持つ人の声が届かずに、閉じ込められて終わり方が風刺レベルMAXですごい。マジョリティが勝って、マイノリティ思想は頭おかしい扱いされるこれ、マジでしんど〜😇エンドクレジットに挟まれる映像も深刻に怖くて「笑い事じゃないよお前ら😉」って言われてる気がするので好き。

これ観て「ドイツ人どんまい!笑」って感じの人もいるけど、これってまったく他人事じゃなくて、今の日本にもガッツリ当てはまる話だと思う。移民に対してだけじゃなくてジェンダー、宗教、国籍、障がい、年齢……いろんな場面で弱者やマイノリティが辛い思いをしている一方で自分が優位だと勘違いして悦に浸ってるキショい奴らや、「自分は別に不自由してないから」ってその状況をなんとも思わない無関心な人たちが一定数いるのが今の日本だと思う。私たちの中にいるヒトラーを、私たちがどうにかしてかなきゃいけないんだよなきっと🤔

「当時大衆が扇動されたのではない。彼らは計画を明示した者を指導者に選んだ。私を選んだのだ。」
「怪物を選んだ者を責めろ。選んだ者たちは普通の人間だ。」
「なぜ人々が私に従うのか考えたことはあるか。彼らの本質は私と同じだ。価値観も同じ。私は人々の一部なんだ。」
……この終盤のセリフに全てが詰まっててずしっとくる。。。他の国から見たら今の日本の政治が「日本国民の意思」だと思われるわけで、私は日々それをとても恥ずかしく思う🥲

これ観るとヒトラーひとりを消すことは解決にはならなくて、我々の中にある偏った思想や排他的な考えをどうにかしてかなくちゃ意味がないんだよなって思わされる。とても大切なことを教えてくれて気づかせてくれる“世界に必要な大事な映画”。作ってくれた人たちありがとう。悲しい気持ちで生きる人が一人でも少なくなる世界にしていきたいね
✨🌏✨
🤲
Natsumi

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