クリプトン星人

クリープのクリプトン星人のレビュー・感想・評価

クリープ(2014年製作の映画)
4.5
一言で表すなら「慰め」か。

怒り、優しさ、恐怖、赦し、肯定、否定。
入り混じっていて安堵がない。

ホラー映画の起源は恐怖の具現化。
監督のトラウマの捌け口だと思うのだが、この映画も例に漏れずか。

感じるシャマラン味。抜群のセンス。心地良さ。
黒よりのシャマラン。黒ってそっちの意味じゃなくて。

恐怖は違う形で遺伝するか。
引きずり込みたくない、でもやり場がない。

「深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだ」

親の影響は凄まじい。
他人を無視することはできても、家族や思い出からは逃れられない。


"君の中に眠るオオカミを否定しないでほしい

なぜなら包丁を刺し込んで中をえぐると―

美しい物が見られるからだ"


"不器用"な人間は真ん中にとどまるのが難しい。
ついつい理想を追い求めてしまう。ある意味、一番中間の存在。
どちらかに振り切ることができない。だからホラーとコメディが混ざる。

自分を永遠と殺し続ける。

群れの真ん中はとても安心だが、感情の真ん中はひどく孤独だ。

どうやら私はこの映画の答えの、そのさらに先の答えに行き着いてしまったようだ。

結局すべて赦すしかないのか。

しかし、彼は紛れもない"天才"。

俺も一番気に入ってるよ。バカでいい奴だ。他の誰よりも。