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レディ・バードのtsuyocinemaのレビュー・感想・評価

レディ・バード(2017年製作の映画)
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【レディ・バード/Lady Bird】
中途半端な田舎のカトリック系の高校に通うクリスティンは自分のことを〝レディ・バード〟と呼ぶ(呼ばせる)17歳。
閉塞感を抱え「此処ではない何処か」に憧れ、「イケてる何か」になりたい彼女の友人、恋愛、家族、自身の将来について悩む姿と一つ一つ進んでいく様を描いた青春ストーリー。

自分を〝レディ・バード〟と呼んじゃうイタさを抱えた思春期が遠くに行ってしまったおじさんも胸を締め付けられるようなむず痒い青春ストーリーだった。もうバードに超共感…
監督のグレタ・カーウィグの自伝的映画ということで、僕は同世代っていうことも一因だが、何よりも〝レディ・バード〟のキャラクターが自分ごと化してしまった要因だろう。
彼女が住むサクラメントは田舎というほど田舎すぎず、都会過ぎてもいない。
彼女の父は失業してるし、兄はプーだが貧困という所謂中流家庭の範疇だし温かい家庭。
スクールカーストに悩むほどでもなく、カースト上位層への憧れがあるわけでもない。
何となくイケてる感じ(面白く)に生きたいが、具体的に打ち込むものもないし行き当たりバッタリ。
何だかんだですげえ努力しないでも恋愛→セックスまで行けちゃう。
そして自意識は過剰。
いやぁ〜我が事のようだ。
バネになるような劣等感も特になく、打ち込む何かもなく、何となく何者かになる憧れてる…
そのくせ普通に恋愛とかもできちゃう。
この中途半端な感じがフィクションだと描かれにくいエアポケットだったりするので、僕は親指立てちゃったし、学生時代を過剰に美化/卑下してるかもしれないけど中途半端さに共感する人は多いのでは?

勝手に中途半端認定している〝レディ・バード〟に感情移入してしまったが、彼女の方が学生の時の僕よりずっと大人。
意思を持って道を切り開き〝レディ・バード〟を飛び立たせた彼女を観たら、親視点の僕が親指立てちゃいました!

コメディー要素としてセックス後の言い訳としてカイルが戦争持ち出すしゃらくさい感じと演劇部の代打の先生の演技指導が完全アメフトなとこが好き!
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