「魔法にかけられて」っていう、あのDisneyがついに自虐ネタに走ってしまったとんでもない映画があったけど本作はその比じゃない。
マテル社は自虐を通り越してもはや社会的批評をしてると言っても過言じゃない。まあマテル社がこの映画を作ったわけではないけど。
しかしここまで男を馬鹿に邪悪にしかもわかりやすくしかもおもしろおかしく皮肉たっぷりに描いてくれる映画はそうそうない。てなことを前半は思いながら見てたんだけども、今の時代らしくフェミニズム問題に物申すだけでなく、その先に踏み込んだ作りになっていたのがうれしい。
自分自身の価値や幸福とは社会や他者に求めるものではないんだという、性別やら何やらそんなもん取っ払ってとにかく全ての人が共感できるであろう至極普遍的なメッセージに落とし込まれていたのが素晴らしい。そして争いではなく共存。非常に根がまじめで感動的でもあるのにめっちゃくちゃバカなコメディでもあるそうは一筋縄ではいかないものすごい映画だ。
一瞬だったけど取り分けゴッドファーザーのくだりには爆笑というか苦笑というか悶絶ものだったな〜。下手したらあれはおれだ。
マーゴット・ロビーのバービーは言わずもがな期待以上に素晴らしかったんだけども、何よりライアン・ゴズリングが最高に笑わせてくれた。改めてこの役者を見直したほどだった。