さすがGreta Gerwig監督。相変わらずガールズパワー炸裂な作品となっていた。ストーリー・オブ・マイ・ライフを見てからこの監督の作品全般が好きでちょこちょこ追っていたのだが、今回今作を手掛けたのが彼女だと知り、公開してから時間を空けたくなく、早速鑑賞。平日にも関わらず席はほぼ空席がなくピンクコーデに身を包んだ人たちも少なくなかった。
映画が始まった瞬間からコメディ展開で客席からも大きな笑いが漏れていた。
ただ、個人的にコメディ一色の映画だと腹を括っていたためこんなにもフェミニズム色を全面に押し出している作品だと思っておらず面食らったのが正直なところ。バービーというフィルターを通して女性問題に切り込む彼女のセンスの良さには脱帽。そして生きていれば変わらないものなどないし、現実世界は汚くて陰鬱で辛辣なものだが、それでも前を向いて生きていかなければいけないというまさかの熱いメッセージまで込められていた。
バービー達の策略によりケン達の争いが勃発するのだが何と単純で、愚かなことか。笑
しかし現実問題、女性の視点から見た男性達はあんなものだなぁと帰り道友人と話しながら帰った。また、今作でバービーばかりでなくバービーの付属品として今まで扱われてきていたケンの葛藤や、ドール達が自分の存在とは何かを追求していく姿も中々楽しめた。
画面いっぱいに映るピンクの洪水や、原色やショッキングカラーを大胆に使った画面配色。
マーゴット・ロビーの美しさやライアン・ゴズリングのコメディに振り切った演技、ケンのライバル役としてアジア系ケンを演じたシム・リウなど、ストリーミング配信を待つよりも映画館で見る方が楽しめた。全面的に私好みの映画だったので大満足。
