個人的に『LUCY/ルーシー』的なものを感じた。
人間の根源への探究実験の結果、原始人のような姿へと変態したり、最終的に人間を超越した存在にまで達していく。意識というものがもたらす可能性がアーティスティックに描かれていた。
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よく聞く話だが、人間の脳は10%としか使われていないという。それ以上使ってしまうと脳がオーバーヒートしてしまうと。今作もそのような表現がされていた。幻覚体験を通して未知の世界を経験することに成功するが、その後疲弊し体から血が流れていた。このまま実験を進めると、自分を壊してしまうと危惧されるが、その探究心・好奇心は止まることはなく、最後の実験に挑む。
意識の力は現実をも変え、もはやその存在は危険なものとなっていく。この表現がトリップ状態の世界を見ているようで面白かった。
人間の進化の過程を探究していく中で、生命の根源の部分へとたどり着くのだが、もはやその存在は生命ではなくエネルギーそのもの。つまり生命というより宇宙の根源にたどり着いてしまったように見えた。
最終的には愛によって抑制された力。裸の2人が抱き合って終わる姿は、人類の誕生を感じさせた。
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古い映画だが、いかにしてぶっ飛んだ表現をするかが工夫されていた。今見ても新鮮な表現で、未知のものと対峙した時に感じる恐ろしさを体感できる作品だった。