次男

ブラジル・バン・バン・バン ザ・ストーリー・オブ・ソンゼイラ ジャイルス・ピーターソンとパーフェクトビートを探しもとめての次男のレビュー・感想・評価

4.0
間を空けず現場に入り、また一ヶ月と少し映画を観れない生活が続いた。睡眠不足と疲労と暴食の末、ようやく先日ひと段落。案の定、また映画インポになっちゃったけれど、お誘いいただき渋谷アップリンクに本作を観に。映画インポに加え、サンバリテラシーもなければ、gillesにも明るくないので、少なからず不安だったけど、

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超楽しかった!!
あれがわかるこれがわからないとかじゃなくて、体が動くんだから仕方ない!

gillesのおかげなんだ、「彼はサンバの第一人者でね…!」「この曲はね…!」って、もう子供みたいにキャッキャしてて、知識不足の異文化の壁はもうサラッと消え去って、ストーリーでもあるアルバムの完成をわくわくと追っかけてしまう!

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観て、聴いていたら、自分がいかに根本的に間違ってたか気づいた。リテラシーとか、知識の有無とか、耳慣れしてるとか、そういったものはこの国のこの音楽を聴く上で間違いなく必要のないことばかりだって、思い知らされる。
「この国の音楽は、みんなで楽しむためのもので、みんなが笑顔になるためのもの!」
吐き気を催すような綺麗事に聞こえるひともいるでしょ、それ、あなたが腐ってるから。この国に生まれて、この距離感で音楽と踊りがそばにあったらなあって、悔しいくらい思ったし、少し泣ける。

…でも、一日経ったいま、思う。
渋谷でもこうやって素敵な映像を伴って音楽を味わうことができるし、いやいや、手元の四角形をいじくれば数万の音楽の世界に手を突っ込めるし、なんだ、すごい時代じゃん、なんにも悲観することねえじゃん、なんかのためじゃなくて、日常を豊かにするために、いろんな音楽をどんどん体内に取り込もうじゃないの。世の中には聴ききれないほどの音楽がある!


(観ながら少し「セッション」のことも思い出した。やっぱり僕は、この映画から流れてたものを音楽と呼びたいし、「セッション」で描いてたあれは音楽と呼びたくない、と思う)

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終わるかと思って終わらないエンドロールってよくあるけど、この映画は特に顕著!もう、楽しませたくて楽しませたくて仕方ないんやろなあ、にくいぜ!


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映画という映画じゃなくて、もしかしたらインポ治療に最善だったのかも。なにより楽しかったし、エスコートしてくれてありがとう。
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