「諸君を動員した目的はただ一つ。ナチスが我が国の海岸に埋めた地雷を除去してもらう」
戦後、ナチスが埋めた大量の地雷を除去させられることになったドイツ軍少年兵たちと、その監督をさせられることになったデンマーク人軍曹の物語。
絵面的には地味な作品だけど、常に死と隣り合わせの状況なので画面に緊迫感が満ちている。少年兵たちが地雷の信管を震えながら取り出すたび、こちらまでハラハラした。
軍曹には悪逆非道の限りを尽くしたナチスを恨む気持ちがあるが、年端も行かない子供たちが命懸けで地雷を除去させられている現実を前に、「本当に悪いのは彼らなのか?」という疑念を徐々に抱くようになる。
次第に情も移っていくようになるが、地雷除去という過酷な仕事である以上残酷な展開は免れず…。
かなり辛い作品ではあるが、最後には多少の救いもあり、戦後を描いた作品の中でも個人的には上位に入る名作だった。
以下、セリフメモ。
「ナチスが西海岸に埋めた地雷は220万になる。他の欧州諸国の合計を上回る数だ」
「黒い旗と小道の間に45000個の地雷がある。全部除去しろ。除去が終われば家に帰す」
「僕たちが憎いから、爆死しようが餓死しようが関係ないと?」
「その通りだ。早く寝ろ」
「ドイツ兵のために食糧を調達したそうだな」
「私と犬の分だ」
「噂になってる」
「情でも移ったか?忘れるなよ、ナチスの罪を」
「軍曹殿。兄を嫌わないでください。憎まないで…」
「甘やかしすぎた。クソドイツ人どもめ!図に乗りやがって!」
(地雷へと向かっていく仲間に対して)「エルンスト!戻ってこい!!」
「14人が4人になった。国に返してやってくれ。頼む。死なせたくない」
「まだ子供だぞ。手足を吹き飛ばされて母親を呼んでたんだ」
「ドイツ兵だぞ」
「全員降りろ。国境は500m先だぞ。行け」