2つの家族で構成する、変則『クレイマー、クレイマー』。
世の中には2種類の男が存在する。妻の死を受けて、人前で泣ける男と泣けない男だ。泣けない男キヌガサ・サチオは、泣ける男とその幼い子供達と出会い、交わり、少しずつ自らを見つめ直し贖罪していく。激情に駆られることなく、あくまで少しずつ、穏やかに。いったい人は何のために、誰のために、生きているのだろう?そんな深い問いを噛み締めてみたくなる。
これ、西川美和が自分で原作書いて、脚本化して、演出したんだよね。すべて自分のものにしてる感じがする。あんな幼い子と不在がちの父親残して、友達と冬山旅行行くのちょっと無理がなくね?とか若干設定に違和感を覚えるところがなくはないが、それも気にならなくなるほどの味わい深さ。