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ヴァン・ゴッホのCHEBUNBUNのレビュー・感想・評価

ヴァン・ゴッホ(1948年製作の映画)
2.5
【アラン・レネデビュー作はゴッホ映画】
今週末のゴッホ映画トークショーでは、時間の関係でほとんど話せないので、ここで書きます。

今となっては、『去年マリエンバートで』や『二十四時間の情事』と厄介難解映画の巨匠として有名なアラン・レネですが、元々はドキュメンタリー作家でした。

そんなアラン・レネの本格デビュー作がゴッホのドキュメンタリーだったのです。本作はアカデミー賞短編映画賞を獲り、勢いに乗ったレネは『ゲルニカ』『ゴーギャン』と画家ドキュメンタリーを続けて製作します。

そんなエポックメイキングな『ヴァン・ゴッホ』ですが、この作品なんと白黒なんです。まあ、時代が時代なので白黒なのは当然なのですが、色彩重視のポスト印象主義画家であるゴッホの作品を白黒で魅せるというのは、今観るととても新鮮です。色彩がないからこそ、ゴッホってどんな人だったんだろうと考えながら観る。彼の人生にひきこまれる作りとなっています。

ただ、同監督の代表作であるドキュメンタリー『夜と霧』と比べると、美術館で上映するレベルにとどまっており、「映画を観た」という感覚が得られない作品でした。

調べる限り、世界初のゴッホ映画だけに他のゴッホ映画を観てしまうと物足りなさがあるのも玉に瑕です。
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