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団地のYOKのレビュー・感想・評価

団地(2015年製作の映画)
3.0
※ネタバレあります

私が子供の頃(小学校低学年まで)は団地に住んでいて、なんか懐かしいなぁって思った。

私が住んでいた頃は若い世代家族がほとんどで、収入が増えたり安定すると団地を出ていくものだったって母親から聞いたことがあるけれど、今もそんな感じなんだろうか。団地に住まう人々の高齢化がニュースになることも珍しくないのでそうでも無いのかな?

自治会の面倒くささとか今でもめっちゃ母親が言うから、この映画でも取り上げられてて、自治会長なんて、本当に一部のそういうのが好きな人しか向いてないんだろうな。PTAの会長とかもそうなのかも。

映画の前半が、浮気の噂だのゴミ出しの仕方の問題だの、自治会のけったるさとか、団地という狭いコミュニティでの小さくも大きな問題を取り上げているばかりで、一体これはどう話が進むんだ?ってのんびり観てたら急展開でたまげた。

ちょこちょこ映る主役夫婦の息子らしき人物の写真も気になるし、なんで手に職ある仕事を廃業して越してきたんだろう?などの気になる点も多々あって、思ったよりは集中して観れた。

話の通じない人間味ない齋藤工のおかしな感じが、なんとなーく「コイツ人間じゃなくね?」って勘がピーンって冴えてしまった。

そんな工に頼まれて夫婦は5000人分の漢方薬を作ることになるんだけど、この漢方薬を作るシーンがそこはかとなくお菓子作りしているみたいに見えて可愛かった。

そんな中、夫が床下収納に引きこもってしまうようになったことから「ヒナ子(妻)さんが夫を殺したに決まってる!」と勝手に噂広げて監視してプライベートに侵入する団地の住人たちがだいぶ気持ち悪い。そんなことより明らかに虐待している男の方の対処に尽力しろよ。

死んだ人に会いたい、そもそも我らは人間じゃない、身体は借り物etc、etc…そんな謎のセリフがラストでは飛び交い、休なSF展開へ。なんかもうぶっ飛んでて感情追いつかない。

UFOも団地も、体の有無も関係なく、みんな似たようなコロニーを形成して生きてるんだぜって事が伝えたかったんだろか?宇宙船のコロニーの中、めっちゃ自然。綺麗。

そんでもって大切な物を忘れる妻よ…なんでそれを忘れるかな?って誰もが突っ込みたくなる大きな忘れ物。逆にそのリュックの中には何入ってんの?漢方か?

ラストはどっちなんだろ。まじで時間巻き戻したのか、それとも「いやいやもう無理ですわ」とばかりに工が上手いこと誤魔化したのか。それとも時空いじったことでMCUでいうところマルチバースな展開が起きたのか。

居心地良くない場所で無理に生きていくくらいなら、宇宙でも過去でも未来でもどこでもいいから居心地良いところに逃げちゃえよ!って話だったのかしらん。分からん。

HAHAHAHAHAHAって真顔で笑いながら「怒ってるんです」っていう斎藤工が印象的だった。そりゃあまぁ怒りたくなる気持ちもわかる。

夫婦が漢方薬を作るシーンだけはやたら良かったので、そこだけずっと見ていたいと思える映画だった。個人的にはハマらなかったかな。
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