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『ククーシュカ ラップランドの妖精』に投稿された感想・評価

emily

emilyの感想・評価

3.8
1944年のラップランド。サミー人のアンニが一人で暮らす家に、ロシア軍人の命を助け、家に転がり込む。そこにフィンランド兵士のヴェイッコが転がり込み、言葉の通じない三人の奇妙な共同生活が始まる。

言葉が通じない三人、観客はそれぞれの思い思いの会話と、都合よく理解されていく会話を見守り、その隙間から生まれるズレが笑いへとつながっていく。女性はおおらかな母性と、女としての欲求をあらわにするが、あくまで中立な立場で、神秘的な世界と価値観で包み込む。

壮大な自然の中に美しく浮かび上がる緑の池。動きのない静寂な空間で、そびえ立つ大きな山を背景に、神秘と自然の力に身を任せ、三人は暮らし始める。

舞台の背景には第二次ソビエト・フィンランド戦争があり、本来は味方同士である男二人が、ヴェイッコの戦争放棄の態度を問わせ、見せしめのためナチの軍服を着せられ、鎖に繋がれていたのだ。そのため言葉の通じないロシア軍人は敵だと認識し、『ファシスト』とヴェイッコのことを呼び敵対心をあらわにするのだ。

通じない思い思いの会話と勝手な理解は、自分の価値観や潜在的な意識から自分の都合の良いように理解されていく。その中でアンコの理解には全く害がなく純粋なのが二人の間の会話のズレから、別次元の面白さは誘うのが興味深い。

勝手な誤解と言葉の壁は悲劇を生み、生死をさまよう。会話が通じがなかった時間は三人にとって貴重なものとなり、アンコの理解がまた美しい。観客にはその一部始終が伝えられているから、その先入観でどうしてもとらえてしまうが、時には言葉が通じないということはプラスに働く。自分の見たくない部分は見る必要がないから。そうして人間の本質のやさしさだけが、綺麗に浮かび上がってくるのだ。それは言葉そのものではなく、表情や会話の間から溢れる本心を読み取ろうとするからだろう。
villjobba

villjobbaの感想・評価

3.4
第二次大戦におけるフィンランド・ラップランド戦線において、行き場を失ったフィンランド人男兵士とロシア人男兵士がサーミ人女性の家にお泊りするお話。
3人はそれぞれ母国語のフィンランド語、ロシア語、サーミ語で喋り、お互いが何を言っているかサッパリも分からない状態で3人の生活が始まる。

サーミ人というのは、北欧スカンディナビア半島の北部のクソ寒い場所に好き好んで住んでいるドM民族で、民族・言語的にはフィンランド人の遠い親戚にあたる。
トナカイを遊牧しながら湖で魚を獲って食べる、ゆる~い生活を送っている人々。

主人公的立ち位置のサーミ人女性アンニは、辺境で独り生活をする逞しさと、男に囲まれて嬉しがってる可愛さとを持ち合わせる素晴らしい女性です。こういう人と結婚したら良い人生が歩めそう。

ゆったりとしたテンポで淡々と描かれるのに、3人がお互いに会話の意味を勘違いしてるアンジャッシュのコントのようなシーンだらけで、シュールな笑いが訪れる。
ロシア映画ではあるが、ロシア人が一番不憫な扱いで面白い。
登場人物たちとは違い、我々は字幕で全部意味が分かってしまうが、本作の3言語(+ドイツ語)をすべて素で理解できる人ははたして地球上に何人いるのだろうか。

ラストが衝撃的だった。
何はともあれ、戦争ダメ、ゼッタイ。


北欧の辺境に興味のある方は是非。
和桜

和桜の感想・評価

3.5
ラップランドでフィンランドとソ連が戦争をしていた第二次世界大戦末期の話。負傷したソ連兵をサーミの女性が介抱している最中、懲罰から逃れたフィンランド兵が迷い込み、お互いの言葉が通じない中での奇妙な共同生活が始まる。
同じように戦時中言葉が通じない敵同士での生活が始まる作品に、グルジア紛争を扱った『みかんの丘』という作品がある。この作品が大好きなので、似たような本作の設定に期待しすぎたんだけど面白かった。

味方にはめられ軍法会議にかけられる予定だったロシア兵。ドイツの軍服を着せられ懲罰として仲間から置き去りにされたフィンランド兵。この手の映画は最初からお互いに敵対心剥き出しで、それが徐々に変化していくのかなと思ったら少し違う。
フィンランド兵は戦争が嫌になり逃げ出そうとした若者。言葉が通じないなりに名前を聞き初めかなり友好的で、自分は戦わないと訴えつづける。一方のソ連兵にそのことは通じず、ファシストとして警戒され続ける。それを仲介するのがサーミ人なんだけど、当たり前のように誰とも話が通じてない。それぞれが好き勝手に喋って噛み合わないまま進んでいく様子はある種のコメディなんだけど、不思議と絆が生まれ始めるんですよね。
見せ方の緩急が激しすぎて途中少し飽きたり、邦題に対しての露骨なブラックジョークはあまり好みではないんだけど、こうしたテーマの映画はやっぱり好き。もっと増えて欲しい。

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