ピロシキ

アンナの出会いのピロシキのレビュー・感想・評価

アンナの出会い(1978年製作の映画)
3.8
睡眠導入映像、以上。でもいいのだけど、なんだか心から突き放す気にもなれない不思議な作品だった。お話はどうであれ、バッチリ構図がキマりまくった映像の数々に魅了されたのだと思う。冒頭から『TAR』でそっくりそのまま引用された横移動のシーンが出てきて、主人公が時折ケイト・ブランシェットにすら見えてきてしまった。

他者と繋がることとか依存することについての『私、あなた、彼、彼女』と、誰といても結局感じてしまう孤独や孤立についての『ジャンヌ・ディエルマン』が、ちょうどカフェオレのように1:1でブレンドされているような感覚だった。特にあのラストシーン。たまには放っといてほしいけど、あまりに放っておかれすぎても寂しい。必要とし合いながら互いに生きているけど、結局自分の孤独を真に埋めてくれる人などいない。

エンドクレジットが出た瞬間に「ほぉ〜」とか声出てもうた。家でよかったワ
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