totsu9piero

スパイダーマン:ホームカミングのtotsu9pieroのネタバレレビュー・内容・結末

1.0

このレビューはネタバレを含みます

アベンジャーズはマイティソーのみ視聴しており、アベンジャーズ全体の時系列や大筋の話もほぼ知らないためそもそも見方を間違えているかもしれないが、今作はあまり合わなかった。

序盤からこの作品に引き込まれるような展開や人物の魅力が見つけられず、(そもそも途中から始まっている印象が強いため)中だるみに感じてしまい引き込まれず1時間経過しておりキツかった。何かトラブルがあっても周りの助けでなんとかなってしまう。部活動の大会も行けないと言っていたのに自分都合ですぐに覆して代表入り。憧れの女子のダンスパーティの同伴もこれまで散々裏切ってきたのにトントン拍子にできてしまう。ヒーローものというより、学園もの?なのか。それにしても都合が良すぎて、ヒーローの成長過程という視点だが、どこか違う印象が拭えなかったのはそういったご都合主義的な展開があったからだろう。アクション映画には行き当たりばったりの幸運続きはありがちで、展開上余計な場面を省くのは良いことだが、1つ1つのイベントが薄く、ただの流れ作業に感じて、観る側の気持ちが離れてしまった。何が表現したかったのかよくわからない。学園エピソードの詰め込み?
また、シリーズものとしてのハードルの一つで、仕方がないことかもしれないが、シリーズ未視聴には厳しい部分が大き過ぎる。主人公とそれを取り巻く人間の大まかな初期設定が把握できない。おそらく前作?アベンジャーズの作品?でスパイダーマンがアべンジャーズと初対面したとか、スタークさんが、キャプテンアメリカが、とか言っているが詳細がわからない。なぜアイアンマンの指示で動いているのか?アベンジャーズとは何なのか?今作でお目付役が主人公を邪険というか雑に扱う背景もよくわからない、など。アイアンマンに認めてもらう、というゴールがある以上、主人公がどんな立ち位置にあるかは重要なので、せめて冒頭に多少の経緯くらいは映像で出して欲しかった。
そして、この作品でひとくくりの盛り上がりがあれば良かったがそれもない。この作品の中での一件を通して主人公は何も得ていない。何か大きく心が動いたり成長したようには見えない。周りの人間に認めてもらおうと勝手に動いてトラブルを起こしスーツを回収され、結局また1人で戦い、敵の攻撃で瓦礫に押しつぶされて急に泣き出して振り絞った自分の怪力パワーで瓦礫破壊、そのまま勝ってスーツが戻ってきただけ。周りの大人が主人公にヒーロー見習いのような扱いをするなら、なぜ最後も1人で動いたことを指摘しない?触れてはいた気がするが、「敵を倒せた」という結果しか見ない姿勢は観ていて良く思えなかった。倒せればそれで良いのか?それに、結局一人で倒したということは突き放した後の主人公の動向を知らなかったのか?能力を持った子供を突き放したあげく監視さえつけないのも無用心すぎないか…。心配していたとか期待していたとか試したとか、口ぶりだけは立派で本当に好きになれない…。そして周りの大人が主人公に耳を傾けない姿勢が変わらない。導く側も導かれる側も別個。情緒の通った登場人物同士のやりとりがあったようには見えない。設定をまとった(設定もこの作品だけではよくわからない)キャラクターがうわべだけのセリフを吐いているだけ。そんな印象が強かった。
ただ最後のバルチャーとの戦闘はとても良かった。バルチャーのデザイン、戦闘表現はとても良い。

そもそも前作シリーズ群を観ていないという見方が間違っていると感じた。観ている前提で作られている。だからそういう意見はお門違いで、作法を間違えているかもしれない。
でも映画はせめてドラマやアニメとは違い、シリーズでの細かな設定はわかっていなくてもその作品単体だけでも観れるものであってほしいという気持ちが個人的にはあるため、シリーズものとは相性が悪いのかもしれない。
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