MATSURI

ロブスターのMATSURIのネタバレレビュー・内容・結末

ロブスター(2015年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

ダサくて滑稽で!

誰かとパートナーになるのに、なぜだか皆2人の間に共通点を見つけることに躍起になる。確かにそんな時代はあった。そう、これは過去の話だ。音楽を聴くのがipodではなくCDウォークマンだったのを見ても、パンフレットを読むまで気づかなかったけど。

(この記載に気づいてから、パンフレットは最初の5行しか読んでいない。読まないと気づかないことに触れてしまうのを避けるために。)

ダサさのさじ加減が見事。ホテルの唯一の娯楽は生バンドの演奏とオーナー夫婦の歌でダンスすることだ。

曲のイントロ、バンドのドラムと楽器が合っておらず、ドラマーがドラムを力を入れずにポテポテ叩き、ハイハットのシャーンという音もバッチリ外すやる気のなさ。

加えて、夫の歌がやたら上手い、でも残念なやりすぎのビブラートをかける。妻はそんなに力まずに、音は外さず歌う。夫に合わせているのだ。

これだけで、オーナーのエゴのみでこの宴が催されているのが分かる。

この世界でパートナーと生きるには、嘘をついても2人は同じ趣味や性格、体質であることを重んじる。

この世界で1人で生きるには、恋愛はご法度、死ぬときは1人、墓の確保はしておく。

本当にそのルールは適用すべきなのか、どちらかしか選べないのだろうか。この世界にはこの2択しかないところも滑稽だ。

恋愛せよ!結婚できないのは人として欠陥がある。

そんな価値観をフフンと花でせせら嗤う、スカッとする映画だ。

レア・セドゥはかっこよかった。ベン・ウィショーもセンスの良さとかわいさを封印。2人とも期待した役とは全く違っていた。それでも見るものに、リアルな存在感を示してくる。素晴らしいことだ。
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