【シーザーの物語③】
新作「猿の惑星 キングダム」にノアたちからノヴァ(実はメイ)と呼ばれる人間の女性が登場するが、この「猿の惑星 聖戦記/War」にも同名の人間の少女ノヴァが出てくる。シーザー達に救われるのだ。
2017年公開の作品だが、この作品には変異した”新型”猿インフルエンザウィルスが、更に人間を追い詰めるさまも描かれる。
新型コロナウィルスのパンデミックの僅か3年前のことだ。
もし、mRNAを利用したワクチン開発の現状を知ることが出来ていたら物語は変わっていただろうかなんて余計な想像もしてしまう。
物語は裏切りなど思いがけない展開もあって一筋縄ではいかないが、アクションなども目を見張るし、争いを避けるためには更に距離を置かざるを得ないのだと振り絞った”知恵”は解決策にはなり得ないと言っているようで、シーザーの死とともに決して明るい未来はないと暗示しているような気にもなる。
まさにウクライナに攻め入ったロシアや、壁を隔てようが容赦など一切ないイスラエルのガザ地区への攻撃など目の当たりにして、僕たちの未来は紛争と無縁でいることは不可能なのだろうかとちょっと気が滅入る。