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600マイルズの小のレビュー・感想・評価

600マイルズ(2015年製作の映画)
3.6
LBFF(LATIN BEAT FILM FESTIVAL)2016で鑑賞。2015年のベルリン国際映画祭で最優秀新人作品賞受賞、2016年アカデミー賞外国語映画部門のメキシコ代表にも選出された本作。とても乾いた感じのする映画だった。

武器の密輸を生業にするメキシコ人青年ルビオ。彼をATF(米国アルコール・煙草・火器取締局)のエージェントのハリスが逮捕しようとするが、ルビオの仲間に背後を襲われ気絶する。

ルビオの仲間はそのまま逃走、ルビオも逃げるのかと思いきや、ハリスを車に乗せ、誘拐してしまう。そしてアリゾナから600マイル先の、叔父のいるメキシコの麻薬組織の本拠地へと向かう。

ルビオは、車中身の上話をしてきたり、他の組織の検問でのピンチを救ってくれたハリスを次第に信頼し、心を通わせるようになる。そんな2人の逃走劇かと思いきや…。

ああ、ルビオ青年、彼は本当は善人で、悪事に向いていないのか…。小心で、普通そうな青年が犯罪しか仕事がないというメキシコ社会の闇。

ラストは正直、予想外。こういう放り投げられる感じは初めて。観る者に解釈をゆだねるような感じを、オープンエンドな終わり方と言うみたいだけれど、正直、ポカーンでしたわ。

ハリス=アメリカ、ルビオ=メキシコとみて、お互いの国の関係性を反映させたのかもしれないと考えると、なるほど少しはわかった気がするかも。とすれば、二人の最後のシーン場所はどっちの国かしら…。観た人のお好きな方でということなら、個人的にはメキシコかな。
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