ユウト

たかが世界の終わりのユウトのレビュー・感想・評価

たかが世界の終わり(2016年製作の映画)
3.5
ギャスパー・ウリエルが2022年1月18日、スキー場で衝突事故に遭い、翌19日に死去。
37歳没。
そのニュースに悲しみながら最初に思い出したのが本作「たかが世界の終わり」。

劇場公開時、ギャスパー・ウリエルのあまりのイケメンぶりに、それだけで満足した。
ニュースの後、本作DVDを購入しながらも悲しくて観られなかった。
宿命だろうが、その事故を僕は受け入れられなかった。
フランス映画を観る度にいつもどこかにギャスパー・ウリエルが僕にチラついた。

本作は脚本がつまらなくて退屈極まりないが、オールスターキャスト。
ギャスパー・ウリエルはじめレア・セドゥ、マリオン・コティヤール、ヴァンサン・カッセルそして
ナタリー・バイ!
アップ多様の演技合戦だが、もう演技なんかいいから寺内貫太郎一家くらいの家族喧嘩しろよ!
ってヤジ入れたいくらいウジウジつまらない口喧嘩している。
しょーもな。
そこへギャスパー・ウリエルのアップ。
ギャスパー・ウリエルのシーンはアップだらけ。
グザヴィエ・ドランはギャスパー・ウリエルを撮りたくて本作を監督したのかと疑われても仕方ないほどアップばかり。
無精髭も産毛も襟足も全てが愛おしくて、
睫毛も瞳も全て全て愛おしくて愛おしくて。
そんなグザヴィエ・ドラン監督の愛情が直にわかる。
ギャスパー・ウリエルをただ見つめていたいのだ。
わかるけど、彼がもういない現実に、映画を映画として捉えられなくて呆然としている自分がいた。
きっとドラン監督も、そうだろう。
ユウト

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