このレビューはネタバレを含みます
期待大で鑑賞した吉田監督の代表作。圧倒的に期待を上回ってきてかなりの傑作だった！
オススメしたい気持ちは山々なものの、問題作故に気持ちを抑えざるを得ない…
単なる恋愛パートからめちゃくちゃ怪しい雰囲気を放っている森田正一、岡田君との会話が初めてズレるシーンの怖さに痺れた。
パッケージにでかでかと写り、キャストの1番に来る「森田剛」。ずっと疑問に思っていたが、その理由がわかる瞬間、この映画が持つパワーが爆発した。ありそうだけど、今までこんな映画は観たことが無かった。この映画は2度始まる。
交互に描かれる森田正一と岡田君パートの対比が美しかった。岡田君が性行為と、森田正一が行う暴力行為は、それぞれにとって大差無いんだな…サイコパスの思考を描いたシーンとして最高だった。
森田正一の、なんでこの行動したんだろうという疑問点も多々残る。が、それもサイコパスゆえの行動だと考えると納得できてしまった。
映画最後に高校生の時の記憶に戻る森田正一と、優しい映像と曲で幕を閉じたのが切なかった。森田正一がこうなってしまった理由はやはりいじめなのか。無差別に人を攻撃した森田正一も犬だけは轢けなかった…人格が壊れてしまっても、家族に対する気持ちは残っていたのだろうか…
それにしても吉田恵輔監督、作品が素晴らしすぎる。最新作のmissingも楽しみ〜他の作品も時間がある時に徐々に観たいな。
