ヒムノスケ

ファンシイダンスのヒムノスケのレビュー・感想・評価

ファンシイダンス(1989年製作の映画)
4.0
永平寺に入門する雲水は、みんなこれを見る(らしい)と聞いて思わず鑑賞。
おもろかった。
本作は昭和64年、つまりは平成元年のもので、ちょうど時代のはざまにあたる。
この時期の映画によく見られるのがあの淡々とした独特な棒読みであるが、それは単に大根演技を意味するものじゃなくて、もっともっと奥深いものを持っていると思う。
いうなれば、セリフ本来が持つ言葉の力を引き出すような、ある種の技能に基づいていると。それは良い作家がいた時代だからこそ生まれる妙理で、演技云々を差し置いて心にずしっとくるし、なにより味わいが深い。本作はその妙理が強く感じ取れる。

時代もいいし、シティボーイが雲水にっていう設定もいい。とくに映像もいい。禅寺特有の静けさと、洗練された様式美を上手に映せてる。

ギャグが多めなのだが、今と当時とでは笑いの感性にギャップがありすぎてあんまり笑えない。

普通に傑作。あとモッくんが単純にかっこいい。
ヒムノスケ

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