「むかしむかしあるところに、妻の不貞を知って処刑してしまった王様がいました。王様は世の中の女の人をすべて憎み、毎日新しい妻を迎えては、翌朝に処刑。」
「それを知ったある娘が王様の妻に立候補するの。婚礼の夜、娘は王様が興味を持ちそうな物語を話して、空飛ぶ絨毯とか、あとアラジンと魔法のランプとか!」
「話が盛り上がってくると、続きはまた明日、って打ち切られちゃうから王様は夜が待ち遠しくなるの。そんな夜が続いて、すっかり魅了された王様は、娘を大切にすることを誓う。まあ、そんな話なの。」
「俺には、千夜もたす話はないなぁ。」
「じゃあ殺されちゃう。」
冒頭、アラビアナンナイトを真面目な顔でセンジくんに聞かせるイチコちゃん。
2人は千次(センジ)と一子(イチコ)で「千夜一夜物語」。
このショートフィルムに映し出された29分間の2人のデートは、1000夜ある中の3夜目までで、この先も続いていくんでしょうか。
それともセンジくんはあの夜に殺されてしまったんでしょうか。
それとも…イチコちゃんと誰か別の男の「千夜一夜物語」を、センジくんは聞かされていただけだったんでしょうか。
自分には…後者に見えたな。
センジくん!頑張れ!健闘を祈ります。笑