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ピクニックのmat9215のレビュー・感想・評価

ピクニック(1936年製作の映画)
5.0
映画史に燦然と輝くブランコ場面!老いも若きも子供も坊さんたちも若い娘に目が釘付けになる。ピクニックに訪れた商人の一家は祖母、父、母、娘、それに使用人と思しき冴えない小僧が帯同している。郊外に到着したとき、娘は母親に気持ちの昂りを伝えていて、これは官能の疼きでもあるだろう。娘を演じるシルヴィア・バタイユは当時のジョルジュ・バタイユ夫人にして、後のジャック・ラカン夫人。川にも木々にも草むらにも陽光が満ちている。ボートで到着した木陰の草むらを、ボートのようにゆっくりと進むカメラ。この幸福な時間は驟雨とともに終わる。川に激しく雨が降る描写も素晴らしい。時間はあっけなく経過し、ピクニックの地を再訪した時、娘はかつて同行していた冴えない小僧と所帯を構えている。泣けてきたよ。
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