ヘソの曲り角

我が道を往くのヘソの曲り角のレビュー・感想・評価

我が道を往く(1944年製作の映画)
3.5
半沢直樹的? 経済的に傾いてる着任先を何とかするビング・クロスビー。上司がけっこうあくどいことをしているのでたまに笑うに笑えない。基本コメディタッチで朗らかで楽しい。教会が地域社会で果たしているいろいろな役割がこの映画から分かる。くそばばあの話し相手とか悪ガキたちの教育とか。上司のじいさまが聖職者らしい厚かましさと規範主義を振りかざすがビング・クロスビーの音楽畑由来の型破りにタジタジ。とはいえクロスビーの言ってることはわりと普通。クロスビーが意外とうまくて驚いた。歌だけじゃないんすね。

難点。計画的集団窃盗かます悪ガキがちょっとコーラス教わっただけで「音楽楽しい!」ってなるのはフィクションでもちと厳しい。あと時世柄プロパガンダ色が強いのも事実。本作のクロスビーと同じ姿勢で権威側の顔色窺いつつメッセージを入れ込んでいるレオ・マッケリー他の制作陣は素晴らしい。特に家出娘のくだりがいい。ジジイババアの機嫌を取りながらやるべきことはキチンとやるクロスビーのできる男感。音楽映画であるものの歌唱シーンが長くてややテンポが悪い。