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我が道を往くのdeenityのレビュー・感想・評価

我が道を往く(1944年製作の映画)
4.2
当時アカデミー賞7部門を受賞した古典的名作。個人的にはこれだけの名作なのでもっとたくさんの方に見られてるのかと思ってましたが、意外とレビューは少なめで驚きました。まあモノクロの古典作品となればそれだけで敬遠されがちなのもわかりますが、こういった古き良きヒューマンドラマなんかはもっと語り継がれていってほしいなと思います。

経営難に立たされた教会と堅物の神父。復建の復興のために白羽の矢が立ったのは、音楽好きな若き神父。型破りだが、常に思いやりを欠かさないその人柄に、次第に周囲の心がほぐされていく。という内容。

この年代だと私の大好きな『素晴らしき哉、人生』とかもありますが、他人がどうかではなく自分がどういう自分であるべきか、ってことの大切さをテーマにした作品の印象が強くって、またその温かさが今も変わらず、というよりも今だからこそより心に沁みてくるんですよね。
まさに本作のタイトルである『GOING MY WAY』であり、ただ自分を貫くだけでなく、誰かのために、という思いやりの大切さをこれでもかと痛感させられます。

本作でも意地悪な信者がいても、やんちゃな子どもたちと接しても、結局一番大切なのは相手を思いやる気持ちであり、最後の最後までそれを貫いたラストのクリスマスのくだりは最高だったと思います。

古典作品に踏み出す勇気がいるのはわかりますが、ぜひ多くの方に見てほしい作品でした。
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